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essay83 SAAB C900という車について
以前の僕のホームページの隠しリンクとして紹介していた僕のSAABに関するページに、
今回少し手を入れ直して下記にリニューアル・アップさせていただきました。

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 僕の愛車である1990年式Saab900ターボ


■SAABの歴史

北欧スウェーデンの自動車メーカーであるSAAB社はもともと航空機メーカーであり、

社名もSvenska Aero AB(スウェーデン航空株式会社)の頭文字をとってSAABと呼ぶのが社名の由来。

ただ現在は自動車部門が分かれ、Saab Automobile AB(サーブ自動車株式会社)となる。

   

SAABのエンブレムは頭部がワシ、胴体がライオンである架空の動物、グリフィンを模したもの。

僕のSaabのエンブレムは左側のもので、下にSCANIAという文字が配置してある。

SCANIAはトラックやバスなどの商業車を生産するメーカーで、

1995年までは同じグループ会社だったが、それ以降に別会社となり、右側の現在のエンブレムになる。

もちろん僕の1990年式のSaab900は左側の旧エンブレムで、僕のキーホルダーもこれが付いている。


僕の「900」の前身である、SAABにとって初めての4ストローク・エンジンを積んだ「99」が

1967年(僕の生まれた年!)に発売され、その12年後の1979年に「900」シリーズが誕生する。

1987年にフロント・マスクがスラント・ノーズ化(ヘッドライトとフロント・グリルが垂直から斜めになったという事)され、

僕のSAAB900の形となる。


「900」の基本設計は基本的には1967年の「99」と同じで、

GMグループと提携後の1993年に「新型900(=N900)」が登場するまで基本的には同じ構造が続く。

「新型900」から現在の「9-3」へとシリーズがつながっています。

この「新型900」と区別する意味でそれ以前の「900」を「クラシック900(=C900)」と呼ぶ。

一番SaabらしかったのはやはりGMグループと提携する前のSaabであり、

僕はこのC900(=僕の愛車)が一番好きです。


SAAB社は航空機メーカーから出発したメーカーなので、その安全思想にも航空機メーカーらしさが現れており、

「900」も70年代に設計されたクルマにしては非常に安全性に優れたクルマで、その設計思想も独創的です。

「Turbo」という過吸気システムももともとは航空機の技術であり、

当時「Turbo」といえばポルシェやBMWなどがレーシングカーや高性能スポーツカーに採用していた特別な技術だった。

それを燃費や性能の面で優位であると考え、普通の乗用車にはじめて採用したのがSAAB(「99」)である。


■SAAB C900のスペック

僕のSAABは1990年式の「900Turbo16」というモデルである。

現在は2009年だからもう丸19年、今年で20年目のクルマである。


「900Turbo16」は進行方向に向かって右に45度傾けられた2リッター水冷直列4気筒B20S型エンジンを

縦置き(しかもミッションが前、ベルト類が後というメカ泣かせの前後逆レイアウト)し、

1気筒当り4つのバルブを持つツインカム・ヘッド(いわゆるDOHC16バルブ)を載せ、

インタークーラー付の高圧ターボ・チャージャーを装備し160PSを5500rpmで絞り出す。


 C900のエンジンルーム

このいかにもメカらしいエンジン・ルームが好きですね。

手前に傾けられたツインカム・ヘッドが見えます。

その奥には加速時に「キーン」とターボらしい金属音を発するターボ・チャージャーが見えます。

こうやってスペックだけを説明すると、何かしらスパルタンな感じがするけれど、

実際のクルマはとても温もりが感じられるデザインや乗り心地です。

ターボ・チャージャーといっても、ドカンと背中を蹴飛ばされたような加速はしません。

まさにジェット旅客機が離陸する時のような独特の加速感です。


■SAAB C900のデザイン

エクステリア・デザインの面で「C900」が特徴的なのが、

極端に湾曲したフロント・スクリーンと垂れ下がったお尻です。

所ジョージが昔、テレビ番組で「SAAB C900」のこのデザインの事を

「包丁で切り損ねたかまぼこみたいなデザイン」と言っていた。

それほど「C900」のフロント・スクリーンは特徴的です。

しかし、ドライバーズ・シートに座った時のこのフロント・スクリーンの感じに慣れてしまうと、

現代の他のクルマのような大きく傾斜したフロント・スクリーンはやけに大きく、圧迫感を感じてしまいます。

そして航空機メーカーらしく、このフロント・スクリーンから眺める視界は死角がほとんどありません。

リア・ウィンドウからつながる垂れ下がったお尻もとても特徴的でひと目で「C900」だと分かります。

しかしこんなに低いトランク・ラインですが、トランクの容量はかなり広く、使ってみてかなり重宝します。

しかもスペア・タイヤ(一度も使った事はありませんが・・・)は緊急用の細~いタイヤではなく、

普通のタイヤを載せてこの広さ。


もちろんこの独特で雰囲気のあるエクステリア・デザインも素晴らしいのですが、

特筆すべきはそのインテリア・デザインの素晴らしさです。

高級とかクオリティが高いとかそういった事ではなく、まさに醸し出されるデザインそのものが素晴らしいのです。

なかなかその素晴らしさをうまく伝える事ができませんが、

航空機メーカーらしい人間工学に基づき、航空機のコックピットのように機能的にレイアウトされたスイッチや計器類、

またその統一された操作感(=タッチ)など数え上げればキリがないですが、

そればかりではない独特の心地良い雰囲気があるのです。

C900のスイッチ類は全て目視しなくても、

例えスウェーデンのような極寒の中、手袋をはめたまま運転していても、

全く問題なく操作ができます。

(そう思うと、後付けの日本製の現代のCDプレーヤーのなんと操作しにくい事か!)


インストゥルメンタル・パネルもいわゆる絶壁型と呼ばれる切り立ったデザインですが、

ドライバーズ・シートを包み込む様に湾曲してデザインされた、本当に卓越したインテリア・デザインです。

僕がこのC900を選んだ大きな理由のひとつがじつはこのインテリア・デザインの素晴らしさです。


但し、難点としてメーターのライトが暗い事が挙げられます。

現代のクルマのように文字や針が自光するバック・ライト・タイプではなく、

昔のクルマのようにメーター面に照明を当てるという方式です。

照明の明るさを調整するダイヤルも付いているのですが、

もちろん明るさを最大にしてもやはり暗めです(針の位置は見えるが、夜間の距離メーターの数字はかなり読み取りにくい)。

一応LEDの明るいメーター・ランプも市販されているようなので、機会があれば試そうかと・・・。


また何と言ってもSAABの伝統であるシフト・レヴァーの後方にあるイグニション位置も特徴的です。

SAAB社は衝突時に足がキーによって傷つけられないようにだとか言っていますが、

単にその場所がSAABらしいと考え、頑なにそうしているとしか僕には思えません(そこがまたいいんですけど)。



 整備中のC900

そしてこのボンネットの開き方!(いわゆる逆アリゲーター・タイプ)

ホント、カッコいい!!


■SAABが教えてくれるもの

この様な旧車に長く乗る事は「もぐら叩きゲームに似ている。」とよく言われる(この例え、たぶん皆さん分かりますよね?)。

古いクルマだけれど日常の足としていつも結構な距離を乗っています。

僕のC900は既にもう25万キロ以上走行していますが、

実は僕のC900より走行距離のずっと少ないC900から

エンジンとミッションをスワップして一度載せ換えています。

もちろん足回りや電気系統、冷却ファン、ラジエーター、エアコン・コンプレッサー、各ホース類もいろいろと交換しています。

天井も貼り替えたし、メーターも交換している・・・。

何の愛着もない普通のクルマだったらおそらくとっくに手放していたと思う。

でも、いろいろと手をかけられながらもSAABは僕にいろいろな事を教えてくれた。


 1.モノを創る上でのデザイン(哲学)の大切さ。

 2.常にコンディションを気遣ってやる愛情。

 3.モノは壊れるんだという絶対的現象。

 4.そのトラブルから逃げるのではなく、受け入れる寛大さ。

 5.モノを大切に長く使う事の知性。


SAABが修理工場から戻ってくるたびに、嬉しさがこみ上げてきて、

ドライバーズ・シートに身をすべり込ませると、「コレ、コレ!」と感じます。


(2009.11.10)
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