AOKI MASANORI Architectural Laboratory
青 木 昌 則 建 築 研 究 所
トップページ home 作品 home 青木昌則建築研究所について home ブログ、エッセイなど home 業務の流れ・ご案内 home お知らせ
Home > Blog(essay list) > Essay82
essay82 建築家 吉村順三の言葉
僕の事務所の本棚に、ある一冊の本がある。

『火と水と木の詩~私はなぜ建築家になったか/吉村順三 著』

僕が尊敬する建築家、吉村順三の言葉をまとめた本である。

僕は時々この本を読み返し、自分自身を確認する。

その中の言葉をここに少し紹介しておきたい。


--------------------------------------------------

建築創作の喜びと責任

(前略)

建築家はビジネスではないんですから、今後建築をやっていく人は、おそらく建築の仕事をしている時が、

条件がどうであろうともその仕事に没頭している時が一番幸せだなあと思うのではないでしょうか。

少なくとも私の場合はそうであります。

ですから、建築家の仕事というのは、他の一般的サラリーマンとか、銀行、商社等のような間接的な仕事とは違って、

自分が何かを生み出そうとしてゆくというところに、いろんな仕事の中でユニークな面があると思います。

建築家は自分で造るという特権があると思いますが、同時にまた、建築家の責任というものも、非常に重いと思います。

ですから社会的・金銭的には恵まれないようですけれど、そういう自由と、それから創造の喜びが与えられています。

と同時に建築家の責任、自然破壊とか、公害とか、そういうものをコントロールできるのも建築家ですから、

そういう特異な立場を自覚されて、そして、やはり年をとるまで、建築家の仕事に努力されて、

その喜びを持っていただきたいと思います。


設計は自分の責任で自分の為に

(前略)

建築家というものは、一つの建築を造る場合にいろいろな建築の要求をする機能があります。

その建築を注文する注文主がいます。

それは公共団体であろうと、個人であろうと、

そういう人達の要求を満足させてあげれば一応仕事は解決するようにみえますけど、

我々の仕事というものは、それからが本当の仕事であり、

それは何も注文主に強制され、社会的に強制されるものではなくて、

自分の責任で自分の為にやる仕事である。

そこが建築家のいいところだと思います。

(中略)

建築家が本当に建築家らしい仕事をするのはそれから後の仕事、

要するにその形の仕事、寸法、それから必ず建築というものは建つ訳ですから、風景とのかかわり合い、

そこが最も建築家として生きがいのあるところだと思う。

ですから、それは何も注文の要求がなくても自発的にやらなければいけないことですね。

それがあるから、さっき申したように建築家は自由を持てる職業で、他にはこれだけの仕事はないと思います。


商業主義と建築

ところが現実はやっぱり資本主義でしかも商業主義に取り囲まれていまして、

特にひどいのは一般の人々の住宅だと思います。

あれもやっぱり建築家が携わっているのだと思いますけど、

しかし、私は新聞に出ている建売住宅のプランを見るたびに、人間が度外視されているような気がします。

それは何故かというと、利益の言葉から、利益のソロバンからデザインされているのであって、

人の為にデザインしているのでは無いからです。

そしてその形があまり良くありません。

そこが建築家がやるところなのです。

それは社会的に大切な事です。

ですから飢え死にしなければ、やらざるを得ない事ではないでしょうか?極端に云えば。

それでもいい仕事をすれば誰かが喜んでくれるはずです。

       (「火と水と木の詩」の中の「4.建築家の役割」より)

--------------------------------------------------



建築家が自由な立場であるという事は、時に建築家の華やかなイメージに結び付けられる事も多い。

でも建築家の自由というのは何も自由奔放というのとはちょっと違う。

自分自身が自由であるためには、自分なりの哲学が必要だと僕は思う。

哲学という言葉が大げさならば、ルールという言葉に置き換えてもいい。

自分が決めたルールによって行動する事。そのルールの内容は自分自身が決めるのである意味自由。

しかし、自分で決めたルールである以上、その責任は自分が持つものです。

その責任を背負いながら、自分のルールで「それからの仕事」をする。

でもそれがクライアントにそれ以上の喜びをもたらすものだと僕は経験上感じている。


(2009.10.3)

≫Blog(essay list)へ戻る Home

ホーム | 建築作品 | プロフィール | 設計の流れ | 建築家のブログ | 旧ダイアリー | エッセイ | お知らせ | お問い合わせ

青木昌則建築研究所は住宅をはじめとして建築全般の建築設計及び現場監理を行う建築設計事務所です。
愛知県をはじめ、岐阜県、三重県、静岡県の東海地方を中心に、ご依頼があれば全国どこへでも足を運びます。
設計のご依頼、ご相談を随時募集しておりますので、お気軽にお問い合わせください。メールを送る
青木昌則建築研究所 〒482-0036 愛知県岩倉市西市町西市前52-9 102号 Phone&Fax 0587-37-7136
copyright 2009,aa-Labo all right reserved