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essay77 何に向かい合って仕事をしているのか?
よくテレビのニュースなんかで、大きな企業の方が、

「はい、株主の利益となるような事業を展開していきたいと思います。」とか、

「株主の意向を十分考慮し、今後の方向を検討します。」

というような台詞を言っているのを耳にする。

また株主総会なんかで

株主の意向に沿わない経営陣なんかが退陣させられるといったような事も。


僕はそういったニュースを耳にするたびに、いつも疑問に思う事がある。

「この人たちはいったいどこを向いて仕事をしているのだろうか?」という疑問です。

「株式会社なんだから、オーナーである株主が一番大切なんです。」

と言われれば確かにそうなんだろうけど、

でもやっぱり(広い意味での)会社って、基本的には人にサービスを提供するものだと思う。

(※ここでいうサービスはとっても広い意味のサービスです。

仕事全般を指してのサービスという意味)

つまり、

常にサービスをする相手(一般的には消費者)に

向かい合うべきなんじゃないかと僕は思う。


「フッ・・・、君は世の中の仕組みというものをまったく理解していないようだね。

会社は慈善事業じゃないし、利益を上げることが全てにおいて優先されるんだよ。

利益を上げればオーナーである株主に利益を還元し、

さらなる資本を得る事ができるからね。

結局はそういった利益が社会に還元されるものなんだよ。」

ときっと誰かは言うだろう。


もちろん(まっとうな)利益を得る事は否定しないし、むしろそうあるべきだと思う。

でも会社の姿勢として、

消費者に対してどういったサービスを提供できるかという事が一番大事であって、

その良きサービスを提供していった結果として、

それにふさわしい利益を得るという事が筋なんじゃないかと僕は思う。


昔の日本の企業はもともとそういった理念というものが存在していたと思う。

例えば松下電器であったり、HONDAであったり。

そしてそこには必ず創業者のパーソナリティによる哲学が存在している。

でも現代の会社の多くは、表面的にはそういった理念は掲げているけれど、

合併と吸収を繰り返すような単なる利益を上げるための事業体になっている気がする。

もちろん僕は利益を上げることを否定している訳ではない。

でも最近のそういった会社の姿勢に釈然としない気持ちになってしまうのもまた事実です。


以前雑誌か何かでダウンタウンの松本人志が、

小学校で株式投資を教えているという事を聞いて怒っていた。

「小学校で子供に対して教えないかん事は、きちんと働くという事でしょ。

 それを、ギャンブルのようなマネーゲームで

 楽して金を儲けさせるような仕組みを子供に教えるなんて、

 きちんと働いて金を稼ぐ事と対極の行為でしょ。そんなん子供に教えていいんですか?」

という様な事を言っていた。(僕の記憶が確かなら)

まったく僕も同感である。


何かをした対価としてそれ相応の報酬を得る事が基本だと僕は考える。

その報酬は、あくまで、行った事に対する対価であって、必要以上でも以下でもない。

メジャー・リーガーのイチローのような大勢の人に夢を与える選手に

何億という年棒が与えられる事にまったく疑念はない。

もちろんF1パイロットも、ミュージシャン、コメディアンなんかも同じである。

異論はあるかもしれないが、政治家でもそれ相応の働きをした人には

それに見合う報酬を与える事も当然だと思う。

そうでない単なる利権や金集めに帆走している政治家はもちろん問題外。


極端な例かもしれないけれど、

いつも僕がやっているような

普通の(2,000万円ちょっとの)住宅の設計監理の仕事と何ら変わらないのに、

「設計料は1,000万円払いますから!」と仕事を依頼されても

たぶん僕はそんなお金はもらえない。

まあ、もちろんそんな事を言う人はいませんけど、

僕は必要以上に報酬をもらうつもりはない。

あくまで自分がやった仕事の分だけもらえればそれでいい。


やっぱり単なるマネーゲームではなく、

僕は建築を通して常にクライアント自身とリアリティを持って向き合っていたい。



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