AOKI MASANORI Architectural Laboratory
青 木 昌 則 建 築 研 究 所
トップページ home 作品 home 青木昌則建築研究所について home ブログ、エッセイなど home 業務の流れ・ご案内 home お知らせ
Home > Blog(essay list) > Essay59
essay59
家を設計するということ
家づくりにあたって多くの人が目にする建売住宅やハウスメーカーなどの広告チラシですが、

おそらくほとんどの人はその場所の立地条件や部屋数、キッチンなどの設備のグレードを

その判断基準にして、良い、悪いを判断していると思う。


立地条件はともかく、単純な部屋数や設備のグレードだけで家の良し悪しが本当に決まるのだろうか?

実際不動産情報には簡単な間取りも載っているけれど、4LDK(床暖房付)とか3LDK+N(有名メーカー設備)とか

家の情報が部屋数や設備の内容などのスペックとして載っている。

でもそれはごくごく一部の情報であり、家の良し悪しの本質を知るべき十分な情報ではない。

いや、家の外観のデザインや部屋のインテリアなんかも重視しますよ、という人も中にはいるかもしれない。


もちろん、僕も必要な部屋数や外観、部屋のデザインを設計の時にも考えます。

でも家を設計する時に一番考えるのは、単なる外観デザインやある部屋のインテリア・デザインとかではない。

一番考え、苦心するのは部屋と部屋との関係性、あるいは内部と外部の関係性です。

部屋はひとつの部屋として完結するものではなく、他の空間とつながっています。

外観もそれだけで完結するものではなく、内部空間と外部空間の関係性です。

つまり、部屋と部屋がどういう風につながるか、また人がその中でどういった風に動くのかという事です。


建売住宅なんかで多いのは、6帖程度の部屋をただ単純にパズルのように組み合わせ並べただけの間取りです。

そこには部屋と部屋との関係性といったものは皆無だし、人と動き、生活といったものはほとんど考慮されていません。

また、設計事務所が設計する家というと、デザイン性ばかりに目がいきがちですが、

単なる見てくれだけのデザイン操作が本来の家のデザイン作業と勘違いされている気がします。

もちろん設計事務所の設計した家でも見てくれだけのデザインの家も数多くあります。

でも本来のデザイン(設計)とはそういった見てくれだけの事ではなく、すべてをトータルで考えるということであり、

その中でも最も重要なのがこの関係性ということだと僕は思います。


家というものはリアルな空間です。

模型やコンピューターグラフィックスなどのような眺める空間ではなく、実際に自分自身が身を置く空間です。

つまり、自分と空間(部屋)との関係がどうなっているか、

あるいは今いる空間(部屋)と他の空間(部屋や外部)との関係はどうなっているかという事です。


関係性といってもそれは様々ですが、

例えば空間と空間がどれくらいオープンにつながっているかとか、あるいはどれくらい遮断されているか、

また空間と空間がどういった動線でつながっているか(どのようにアプローチするか)といったような事です。

人は空間の中で動かずじっとしているものではありません。(もちろんそういう場合も時にはありますが・・・)

人は常に動き、廻りを見ています。

ソファーにずっと座っているだけのものではありません。

つまり、ただひとつの部屋それだけで完結するものではないのです。


極端な事を言うと小屋のようなひとつの部屋しかないような空間であっても、

外部との関係性を意識する事はとても重要です。

それは必ずしも外部とつながっている事とは限りません。

場合によっては外部と完全に遮断されたケースもあり得ます。

しかしその場合も、どのような関係性を持ってお互いを遮断しているかどうかという事が大切なのです。


家を設計するということは、外観のデザインや部屋のデザインをするということばかりではないのです。

最も重要なのはそれとは別のところにあるのです。

それは、デジタル的な数字で表わしたり、記号化されるものではなく非常にアナログ的なものです。

ものとしての実態ではなく、空間と空間の関係性という実体の無い部分が重要なのです。

この関係性の良し悪しが家の良し悪しを決定づけるものだと僕は考えます。

空間と空間の関係、内部と外部の関係、そして様々なプロポーションによって、

空間の落ち着きや豊かさが醸し出されるものだと思います。

決して材料のグレードや設備機器のグレードだけで決定するものではありません。


≫Blog(essay list)へ戻る Home

ホーム | 建築作品 | プロフィール | 設計の流れ | 建築家のブログ | 旧ダイアリー | エッセイ | お知らせ | お問い合わせ

青木昌則建築研究所は住宅をはじめとして建築全般の建築設計及び現場監理を行う建築設計事務所です。
愛知県をはじめ、岐阜県、三重県、静岡県の東海地方を中心に、ご依頼があれば全国どこへでも足を運びます。
設計のご依頼、ご相談を随時募集しておりますので、お気軽にお問い合わせください。メールを送る
青木昌則建築研究所 〒482-0036 愛知県岩倉市西市町西市前52-9 102号 Phone&Fax 0587-37-7136
copyright 2009,aa-Labo all right reserved