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essay44
事務所立ち入り調査
1年くらい前の話ですが、ある日事務所の電話が鳴った。

愛知県の建築事務所(お役所)からの電話で、僕の事務所に立ち入り調査に今度来るという事だった。

立ち入り調査といっても何も悪い事をしたからではありません。

愛知県に事務所登録している設計事務所の中から順番に業務の内容などを調べていくものです。

例えば、必要な設備の設置状況や設計図の保管状況、契約書などの必要書類の保管などといった内容です。

設計事務所はその業務内容が建築士法という法律で定められています。

もちろん一級建築士や二級建築士といった建築士という資格も同様です。

でも、僕の事務所のような小さな個人事務所にも立ち入り調査が入るんだと、正直その時に思いました。


指定された数日後、県の担当者二人と市の担当者一人が僕の狭い事務所にやって来た。

散らかっていた事務所の中も一応きれいに片付けておいた。

一通り調査項目を調査したのですが、1軒の住宅の設計図の量や監理報告書の量に驚かれたようで、

「1軒の住宅にこんなに設計図を描くのですか?」と質問されたりしました。(僕は普通だと思いますが・・・)

最後には、

「今まで大小いろいろな設計事務所に立ち入り調査しましたが、

 設計図といい、監理報告書といい、これ程キチンと業務をこなされているところは初めてです。

 私達もいろいろ勉強になりました。」

と担当者に言われました。


いつもひとりで業務をこなしているので、

実際みんながどんな風に仕事をしているのかは正直言ってよく分かりません。

設計と同じように、自分で勉強しながら実務を行なっています。

人からああしろ、こうしろと言われる事もありません。

自分で判断しながらやっています。


以前もある人から言われました。

「青木さんのところはどこかの工務店か何かから仕事をもらっているのですか?」と。

あるいは「親会社は何処ですか?」と。

「そんなものはありません。あくまで個人でやっています。」

「じゃあ、看板も広告も出していない小さな事務所で、

一体どうやって青木さんのところに人が設計を頼みに来るのですか?」

「まあ、人づてや雑誌とかですかねえ・・・。」(この時はまだホームページは持っていませんでした。)

確かに大きな設計事務所やハウスメーカー、工務店などの仕事をしている設計事務所と違い、

営業活動もしない僕のような小さな個人設計事務所はどうやって仕事が来るんだろうと僕でも思う。

でも、営業して仕事を取ってくるのではなく、

コツコツと良い仕事を続ける事が、結果的に次の仕事になるものだと僕は信じている。

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