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A.アアルト
先日、本屋へ行ったら、偶然A.アアルトの新しい写真集を見つけた。

建築家の斉藤裕さんが自ら写真を撮った作品集で、

アアルトの建築もさることながら、斉藤さんの写真の腕もかなりのものです。

斉藤さんはもちろん建築家としても素晴らしいと思うけれど、建築写真もなかなかです。

これまでにも、ルイス・バラガンやルイス・カーン、カルロ・スカルパの写真集も出しています。

もちろんどれも写真を自ら撮っています。


A.アアルトは1898年に北欧のフィンランドで生まれた建築家で、1976年に没するまで、

そして没してからも世界中に影響を与えた偉大な建築家の一人です。

写真集を眺めていると時間の経つのを忘れるほどその建築はとても素晴らしいものです。

何処が良いのか、一言ではなかなか表しきれません。

最近の建築のように明快なコンセプトというものも強く感じるものではありません。

つまり、この建築を一言で言い表すとこうだ、と言うようなものがないのです。

しかし、その美しく親密な空間は人々に安らぎと感動を与えます。


何年か前に豊田市にある谷口吉生の設計した豊田市美術館を何度目かに訪れた時、

このA.アアルトの住宅展をやっていました。(もちろんそれと美術館を見に行った訳ですけど・・・)

そのパンフレットにはアアルトのこんな言葉が書いてありました。


「建築における唯一の正しい狙いは『自然に無理なく建てる』ということだ。

 誇張してはいけない。

 不必要なものをつくってはいけない。

 余分なものはすべて、時間の経過とともに見苦しくなる。」


そのごく自然に建てられたアアルトの建築の空間には

アアルトの建築に対する哲学がひしひしと感じられるのはもちろん、

人間としてのアアルトの魅力も強く感じてしまいます。

どうしたらそんな空間がつくれるのだろうかと、

その答えを求めて、僕は「建築」という長い旅に出たわけだけれど、

その答えは15年経った今も見つからないままです。

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