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essay39
交渉人
建築の設計の仕事をしていると、その仕事の中では実際に設計の作業ばかりでなく、様々な作業を要する。

当然の事ながらクライアントとの打合せに始まり、資料の収集や作成、

構造設計事務所やその他関連事務所との打合せ、施工業者との打合せや現場監理業務、

役所との打合せや各種申請業務及びその資料・図面の作成など本当に様々です。

家内からは時々、「本当に雑用の多い仕事ねぇ」と言われる。



設計というのは結構クリエイティブな事ばかりをやっているイメージがあるけれど、

実際は嫌になるほどの雑用が多く、クリエイティブな作業は全体から考えると意外に少ないと思う。

デザインばかりでなく、建築基準法などの法律の遵守や予算、工法、機能、要望等をクリアし、

建物を実際に完成させるまでには、無数のハードルを越さなくてはならない。

実際に若くセンスのある人でも、この嫌になるほどの無数のハードルをクリアできず

(言い方を変えれば、クリアするのに嫌気がさし)、建築設計の仕事を辞める人も結構いる。



建築設計の仕事は、その仕事の内容上、本当にいろいろな人と会う。

クライアントだけでなく、施工業者や職人さん、役所の人や近隣住民、その他工事以外の様々な業種の人たち。

そして必要に応じてその人たちと「交渉」する事になる。

つまり、ある意味、僕はクライアントの代理人であり、交渉人であるわけです。

クライアントの建物を完成させるのに、その様々な人たちと様々な交渉を公正・中立に行います。

交渉と言ってもヤミ取引ではありませんよ・・・。あくまでフェアなと言う事です。



言われた事、与えられた事、時には理不尽な事をそのまま受け入れてやっていけば、

きっとこの交渉という作業もほとんど無くなってしまうものでしょう。

でも、建物を完成させるために、物事をその先に進めたり、スムースに動かしたり、

時にはブレイク・スルーを起こすために交渉が必要になってきます。

交渉という作業は、想像できると思いますが、非常に根気のいる作業でもあります。

でも、この交渉という作業は、意外と建築家の大きな側面であると僕は思います。

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