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マリオ・ボッタ
マリオ・ボッタ(1943~)。

スイスで活動する世界的な建築家である。

僕が最初に心躍らせた建築家でもある。

現在は2005年だから計算するともう60歳を過ぎている。

最近は貪るように建築雑誌を見る事も少なくなってきて、

僕にとっては若い頃(40代)のボッタのイメージが強いけど、

もう60歳過ぎなんだとあらためて思う。

僕はボッタが30代、40代の頃に設計した住宅に心奪われてしまったのだけれど、

大きなビルなどをボッタが設計するようになってからは、

僕の中でボッタは自然と遠ざかっていった。

それはボッタの作る建築の形そのものが、シンメトリーでとても強い形態という事もある。

僕はどちらかというともう少し力の抜けた形態とでも言うのか、

あまり形として強いイメージを持たないような建築に興味を持ち始めてきた時期とも重なる。

僕は次第にルイス・バラガンのような穏やかで詩的な建築に惹かれていった。

しかし、少し前に久しぶりにマリオ・ボッタの作品集の中の初期の住宅を眺めていたら、

あらためてその建築の素晴らしさを感じずにはいられませんでした。

確かに形として強いというのはあるのだけれど、

彫刻的で陰翳のある形態と、コンクリートブロックという質素な素材が、

スイスの自然とあいまってとても良い関係を醸し出しているのです。

そしてその住宅の内部の空間のあり方、光の取り込み方など今見ても素晴らしさは変わりません。

おそらく他の建築家が同じようなデザインをしたとしても、

形が強いだけにきっときついイメージになったり、やり過ぎになってしまうと思う。

それをそうさせない微妙なデザインの按配がボッタの住宅建築にはあります。

もちろん、スイスの自然もあるからこそそのデザインがあるのだと思います。

ボッタの住宅に薄い赤とグレーのボーダーの外観を持つリゴルネットの住宅というのがあります。

外壁の素材はコンクリートブロックですが、塗装が施してあり、ボーダー模様となっています。

赤とグレーのボーダーの外観?と聞くと、何だかとても派手な建築のように聞こえるかもしれませんが、

実際の建物は全くそんな感じは受けず、とても自然な感じで建っています。

この一見派手なボーダー模様も聞くところによるとこの地方独特のデザインなんだそうです。

また、ボッタの住宅はその内部空間がとても親密な雰囲気を持っています。

決して取り澄ましたようなよそ行きな雰囲気では決してありません。

それはルイス・バラガンやルイス・カーンなどの住宅にも言えます。

光の入れ方(陰の作り方と言ってよい)と言うか、テクスチャーと言うか、

その空間にいる事がとても落ち着く感じがします。

僕はそんな彼らのつくる空間に一歩でも近づきたいといつも考えています。

(まだ彼らの背中どころか姿も全く見えませんが・・・)

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