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essay28
久しぶりの住宅見学
先日久しぶりに建物を見に行ってきました。

建物といっても特に有名な建物ではありません。

最近竣工したばかりの先輩の設計した小さな木造の住宅です。

人の設計した建物を見るのはずいぶん久しぶりです。

最近僕を刺激するような建物、つまり実際にこの目で見たくなる建物が少なくなり、

忙しさもあり、しばらく建物を見る機会から遠ざかっていました。

見学したこの小さな住宅はとても簡素で、5年後、10年後くらいの風合いが楽しみな住宅でした。

外観は変わっていると言えば変わっているけれど、ごくごく普通の真っ当な住宅です。

建築家の中でもこの小さな住宅の意味を認識できる人がどれだけいるか正直分かりません。

この家のすぐ隣りには、あるハウスメーカーの立派な住宅が建っていました。

今時のテイストで、それなりの流行のデザインがなされた住宅です。

おそらくどこかの設計事務所が設計に関与していると思います。

しかし、僕はいわゆる表面的にデザインされたそういった住宅や建築には全く興味を持てません。

それはきっと年月を経過する事によってその意味を知る事になります。

新築時のキレイな状態よりも、何年か経った後の住宅を訪れ、

生活感があり、クライアントが上手に暮らしている家を見るのはとても心温まるものです。

住宅はクライアントの生活を営む建築的な器です。

どうだと言わんばかりの余計なデザインはただ邪魔なもの、陳腐なものでしかありません。

かの孔子も言っています。

「壷の本質はその壁の部分にあるのではなく、内部にその本質がある。」と。

つまり、壷の表面をあれやこれやするのではなく、

壷の内部、空間にこそその本質があるのだと言っています。

建築にも同じ事が言えると僕は思います。

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