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essay19
初めての担当
昔、まだ僕が設計事務所で働き始めてしばらくの頃、はじめて住宅の設計の担当者になった時の事。

それまでは、先輩の設計する住宅の設計の手伝いや現場監理の手伝いなどは経験していたが、

この木造住宅の仕事が、契約から打合せ、設計、監理まで全てを任された最初の仕事だった。

この木造住宅は二世帯家族の親夫婦(クライアント)の住居部分の建て替えで、

僕の勤める設計事務所の所長とクライアントの息子さんが友人という関係で来た仕事だった。



所長と息子さんが友人という関係であったが、所長は僕を担当者に指名し、

また、クライアントの息子さん夫婦も、ありがたい事に僕の事をとても気に入ってくれて、

僕がはじめて担当する住宅と知っていながら、「設計担当者を青木さんから変えないで欲しい。」と言ってくれた。

この住宅の設計途中で、僕が一級建築士の試験に合格した時も、

息子さん夫婦は僕のためにお祝いのパーティーまで開いてくれた。

とても思い出深い仕事のひとつである。


この仕事は、設計料の取り決めから契約(所長も横で立ち会ったけど・・・)、打合せも全て自分で行った。

初めての担当なので、やりたい事が多すぎて頭でっかちになりがちだった。(今でこそ、それがわかる)

今の僕の目から見ると当然未熟な点もあるけれど、色々勉強しながら、自分なりに精一杯設計した最初の住宅です。


現場へも殆ど毎日のように足を運び、色々と勉強させてもらった。

そんな中、この住宅の重要な部分である外部の吹抜部分の左官工事をしていた左官職人さんが、

今まで、足場を組んだこの吹抜で、何もわからず目の前の壁をコテで押えてきたけど、

足場が取れて吹抜全体が見渡せるようになった時、はじめて

「青木さんがやりたかった事は、こういう事か!やっとわかった。」とその職人さんに言われた。

・・・正直、うれしい言葉です。

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