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再びSAAB900
もうずいぶんと長くSAABに乗っているけど、

僕がSAABに乗るきっかけとなったKさんという友人がいる

(年は僕よりも随分上なので友人と呼ぶのは失礼かもしれないけど、僕にとっては良き友人である事は間違いない)。

Kさんはいわゆる建築プロデューサーという肩書きを持ち、

主に「〇〇博」とかのイベントなどの建築や展示に対するプロデュース活動を行っていた。

僕が設計事務所にまだ勤務している時に一度だけそのKさんと仕事をした事があった。

ある時、Kさんと一緒にクライアントのところに二人で打合せに行く機会があったので、

Kさんの車に同乗させてもらい打合せに行ったのだけれど、その時のKさんの車がSAABだった。

でもそのKさんのSAABは今僕が乗っているSAABではなくて当時新型のSAABだった。

Kさんはその新型の前は僕と同じSAABに乗っていたと聞いた。

SAABは運転席と助手席のシートの間(シフトレバーの手前)にイグニションキーがあり、独特の雰囲気がある。

僕はもうすっかりSAABが気に入ってしまった。

でも何故か僕がその時欲しいと思ったのは、その新型SAABではなく、

少し前から気にはなっていた旧型のSAABだった。

もちろん新車では売っていない。


それからしばらくが過ぎ、

子供が生まれてそれまで乗っていた2ドアのスポーツクーペでは不都合が出てきたので、

本格的に車を買い換える予定となった。

もちろん第1候補は旧型SAAB900。他にもアルファロメオやら、プジョーやらも候補には上がった。

でも実際にそれぞれの車を試乗してみて、やはりSAABしかないと思った。

椅子に座ったような着座位置の高い良くできた大ぶりなシート、

極端に湾曲したウインドスクリーン、

秀逸なダッシュボードのデザイン、

古めかしいエンジンフィール、

渋いエキゾースト音、

そのどれもが僕にとって独特の風景に映った。

もちろんその時の感動は今もまったく変わっていない。


何年か経って、Kさんに久しぶりに会った。

Kさんは岐阜で陶芸教室も行っていて僕も何度かKさんのアトリエで土をいじらせてもらった。

Kさんは既にSAABを手放してしまって他の車に乗っていた。

でも僕のSAABを見たKさんは「やっぱり俺もこのSAABをとっておけば良かったかなぁ」と言っていた。

(その通りですよ、Kさん。)

旧型SAABのオーナーでやはり古くなって(たぶん故障も続いたものと推測される)手放し、

後で後悔しているという話は実際よく聞く話である。

僕のSAABもこれまで何度修理工場のお世話になったことか数知れず・・・

(いつも修理のお世話になっている千秋自動車さんに感謝!)。

道路で止まってしまった事も何度か・・・。

エアコンのコンプレッサーだけでももう何台目か・・・、

いや、そんな話はどうでもいい事かもしれない(きりが無い・・・)。

そんな苦労をかけられながらも、SAABは僕にいろいろな事を教えてくれた。


 1.モノを創る上でのデザイン(哲学)の大切さ。

 2.常にコンディションを気遣ってやる愛情。

 3.モノは壊れるんだという絶対的現象。

 4.そのトラブルから逃げるのではなく、受け入れる寛大さ。

 5.モノを大切に長く使う事の知性。


今年も無事(?)車検を通り、SAABは現在快調です。

もう少し手を入れてやらなくちゃいけないな、と思うところもあるけど、

少しずつやっていこうと思う。


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