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essay5
お気に入りの店
僕の住む岩倉市の隣りの小牧市にとてもお気に入りのBARがある。

子供が生まれてからはなかなか行く機会がないけど、

結婚する前から家内と一緒に機会があればその店に足を運んだ。

今でこそそのBARはとても控えめで小さな看板が出ているけれど、

当時は看板なんて全くなかった。

おまけに、外観は割れ肌の石張りで窓がほとんどなく、

普通に人が見たらそこが一体何の建物かさえよく分からなかったと思う。

石の壁に挟まれたアプローチを歩いていくと突き当たりの横に店の入り口があり、

そこで静かにお店の人が迎えてくれる。

店の中はとても静かでジャズが控えめに流れ、とても落ち着いた雰囲気がある。

(全体的な建物の雰囲気はなんとなく

静岡県にある建築家・白井晟一設計の芹沢美術館に似ていると言えなくもない。)

店の中はカウンターとテーブル席があるが、僕と家内はいつもカウンターに座った。

店の雰囲気だけでなくそこはサービスもとても良い。

僕の良いBARの条件には控えめなサービスをするという項目がある。

絶対に過剰であってはいけない。

料理もとてもおいしい。

特に気に入っていたのは「パイのうにソース添え」という料理で、

サクサクッとしたパイの生地と一緒にうにの香りが口の中に広がり何ともいえない。

でも一度だけ、結婚式の二次会(いや三次会か四次会あたりかな)の団体と一緒になってしまった事がある。

この時だけは店の雰囲気は損なわれてしまって、家内と早々に引き上げた。

ローカルな場所柄、決して安いお店ではないけど(かと言って決して高くもないと思う)、

きちんとしたサービス、きちんとした料理、きちんとした雰囲気を味わうために真っ当な料金を払って来ているのだから、

大きな声で話すのだけはやめてほしいと思う。


駐車場には店の人のものと思われる赤いアルファ・ロメオ75がいつも止まっている。

その事もそのBARが僕のお気に入りであるという理由のひとつかもしれない。

えっ、店の名前ですか?言えません、そんなの。






後日談・・・・・・・・・先日、久しぶりにこの店の前を車で通ったら、店の名前が変わっていた。

建物はそっくりそのままなんだけど、看板も変わっていて、もうBARではないような感じだった。

気に入っていたBARだったので残念な気がする。


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