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essay4
建築巡礼
去年の夏、群馬の住宅の打ち合わせのついでに東京の上野公園にある国立西洋美術館を久しぶりに見て来た。



この美術館は近代建築の巨匠であるフランスの建築家ル・コルビュジェ(1887-1965)が1959年に建てたもので、

見るたびに違った勉強を僕にさせてくれる。

そして僕を元気にもさせてくれる。(そう、よい建築を見ると元気になる。)

建築には写真だけで理解できる建築と、写真だけではその良さが理解しきれない建築とがある。

もちろんコルビュジェの建築は後者だし、僕はそういった建築が好きだ。


また、その足で東京都現代美術館で開催していた「ルイス・バラガン展」にも寄った。

この展覧会はメキシコの建築家ルイス・バラガン(1902-1988)の貴重な図面やスケッチなどが展示されたもので、

なんとしても見に行こうと思っていた展覧会であった。

群馬の住宅の打ち合わせのスケジュールを調整して

何とか展覧会最終日のその日に間に合わせて行くことができた。

会場は物凄い人でチケットを買うのにさえ長蛇の列だった。

バラガン展は図面やスケッチの他にも模型や映像などもあり見応えのあるものだった。

スケッチなんかはバラガン自身の設計での迷いなんかを感じる事ができなかなか面白かった。

中でも70歳を過ぎたバラガンが設計した傑作ギラルディ邸の模型は原寸大(なんと模型の中を歩く事ができる)で

非常に興味深かった。

ただ、その原寸大の模型の中で感じた事は、

今まで穴があくほどに見て来たバラガンの作品集から想像する以上のものは

当然のことながらないということだった。

建物のスケール感や構成などは写真からも十分想像できるものだったし、

逆に僕には本物を見たいと強く感じないわけにはいかなかった。

実際の空気、匂い、自然光、メキシコという風土抜きには本当の意味でこの建築は理解はできないだろう。


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